あかしアート情報 アートリンク あかしアート情報 アートリンク

 

 4×6 Compact Art Competition 受賞作品

 

 

 

 

 

明石文化国際創生財団『4×6 Compact Art Competition』では、令和2年9月8日から11月4日までの間作品を募集し、
全国の沖縄から北海道まで、9歳から80歳まで幅広い年代層の方にご応募をいただきました。
たくさんのご応募、ありがとうございました!
今回ご応募いただいた中から、見事入賞・入選に輝いた作品をご紹介します!

 

 

♕ 最 優 秀 賞

 

Finder Market 毛 嘉逸

日常の動作をシンプルに考えてみると、ほとんど何を探していると思いませんか。

目覚めから、スマホ、鍵、わるくない飯、ブランドの新発売、慰め言葉…探し、買い、満足になる、まだ探しの循環。

資本主義に左右された現代人の私たちは、教えられた欲望の渦巻に陥っていきます。

巨大な物化の世界に対して、心は日々萎えているかもしれません。

 

 

♕ 優 秀 賞

 

FRAME 森田 洋美

人は枠にとらわれ、型にはまり、抑圧されている…?
それに気が付いている人、気が付いていない人も、そんな息苦しさを感じているのではないでしょうか。
そのような精神状態を絵画として表現しました。

 

 

♕ コンセプチュアル賞

 

  

安楽 朝比奈 秀男

痴呆や寝たきりの老人が何の為に生きているのか、誰か教えて欲しい。

煽りなどではなく本当に分からないのである。我が老母、そして自分の将来の姿に重ね合わせ、長寿=幸福では絶対にないと確信している。

医療の発達はより簡単に我々を死なせてくれないようになるが、なぜ私に死に時を決める自由がないのか誰か教えて欲しい。

使用素材はスライム、風船という短寿命なものと自然消滅しないプラスティック。

非難されそうなことを小さなスペースでこっそり表現してみた。

 

 

♕ クリエイティブ賞

 

flower 石川 晶子

私にとって作品制作は見えないものを可視化する作業である。

この作品は①記録、②刺繍、③昇華転写プリントという3つの工程を踏んで制作されている。

①記録:写真やイラストレーションを用いて、モチーフの持つ外見的な特徴を記録する。

②刺繍:記録だけでは捉えることのできない、それらが纏う気配や記憶などを刺繍作業を通じて探っていく。

③昇華転写プリント:昇華転写プリントを用いて①のイメージを刺繍の上に重ね合わせる。

画面上には光によって落ちる「黒い影」だけではなく、刺繍部分の厚みによって昇華転写プリントの際に染料が染み込まずに「白い影」が生まれる。

これにより画面の2次元と3次元の境界線が曖昧になり、布のテクスチャー、刺繍、イラスト(写真)などの情報が渾然一体となる。

各メディアの限界を超えてモチーフの本質を表現することができるのだ。

本作品『flower』は、55×91mmという小さな世界の中で「花」という普遍的なモチーフを用いて見えないものを可視化する。

 

 

♕ 学 生 賞

 

Smile! Baby girl 善養寺 歩由 大学1年

女性の人権をテーマに女性を取り囲む風潮とそれに抗う女性を描きました。
タイトルの『Smile! Baby girl』はキャットコーリング(海外における女性が見知らぬ男性にかけられるやじ)というセクハラの一例からとっており、押しつけられるボールは一方的に投げかけられるそのような言葉たちを表しています。
絵の中の花はデイジーとスミレで、性暴力に抗議するフラワーデモをイメージしました。それぞれに、『控えめ』『純潔』『美人』『謙虚』と言った花言葉があり、これらは理想的な女性の条件としてよく挙げられます。笑顔でいること、美しく謙虚で潔白あることに努め、”怖くない“女性となって貢献し、世の中は平和になる。しかしそれによって作られる平和は歪で、貢献と称したそれは抑圧によって成り立っています。そしてその抑圧によって性的に搾取される女性たちがいます。
絵の中の女性にあるニキビはそのような『隠せども存在する現実』を意味しています。というのもニキビは体質的に切っても切れない人がいる一方で、性被害のように、敬遠されたり、美化の名目で修正されたり、覆い隠されることがあるからです。
女性たちを取り巻くこの現状が改善されることを願って制作しました。

 

 

♕ 審査員特別賞(稲田翔平賞)

並び2 マオワンワン 1年

人がたくさん並んでいます。これは、人と人の間のつながりを表現したいです。

そして、人の形や大きさと並び方が違って、それは人間達の多様性を表現したいです。全ての人は並んで、地球の感じが伝えました。

 

 

♕ 審査員特別賞(斉藤幸延賞)

 

庭先の小宇宙 尾関 裕美

線香花火のチリチリと丸く広がる火花と儚さを貼り絵で表現しました。
線香花火の火花の様子が、宇宙の星のように感じたので

タイトルを庭先の小宇宙とつけました。

 

 

♕ 審査員特別賞(名司生賞)

 

blue bird 倉羽 博之

今の世の中では幸福の青い鳥も少し憂鬱かもしれない…

 

 

♕ 審査員特別賞(丸中美咲賞)

 

Me and My Friends 英の国

タイトルは英語で「私と私の友人たち」という意味です。私のように長年日本に暮らしている外国人はたくさんの日本人の友達がいます。

それはうれしいことではありますが、時折恩と義理の圧力を感じるし、やはり自分は周りの人々と違うという孤独感もあります。

その両義的な気持ちを表現しようとしました。
91x55mmの名刺サイズのカードに自分の印鑑と約20本の百円ショップの印鑑、修正液、黒いポスカペン(丸芯・細字)で作りました。

求められるサイズで作りましたけど、テンプレートの使い方が分かりにくいため、写真は正しいサイズになっているか、自信ががない。どうか、よろしくお願いします。

 

 

♔ 入 選

 

隔たりの先に 松丸 さつき

曇りガラス越しに見えるヤモリを、5.5×9.1cmという小さな画面を活かし実物大で描いた。
ヤモリは日本ではお馴染みの生物だろう。曇りガラスもどこにでもあるような普遍的な存在だ。しかし、いつもの家のいつもの日常の中、ふと見やった先にヤモリが曇りガラス一枚隔てて佇んでいたら、途端に目が釘付けになる。
曇りガラスは、その先にあるものを絵画のように魅せるフィルターの役割をする。明瞭さを失う代わりに、もっとよく見たいという気持ちを加速させるのだ。だからこそ「爬虫類が苦手」という方も、小さな指で体を支え、じっと獲物が来るのを(あるいは雨風が止むのを)待つ姿を曇りガラス越しに見れば、きっと愛着が湧くのではないだろうか。
触れられずよく見えないような隔たりの先の小さな存在に、どこから来たの、いつから居たの、もう少しここで休んでいけば…と語りかけたくなるような慈しみを表現した。

 

 

明石名物 古屋 佐知子

フリーハンドでハサミを使って紙を切り、小さな部品を作って重ね貼り合わせる、オリジナルの切り絵(貼り絵)で作っています。

明石の代表的な特産物である『鯛』と『たこ』をモチーフにしました。

小さなサイズを生かしたミニチュアのような切り絵、老若男女誰にでも分かりやすい作品になったと思います。

 

 

  neighborhood 安藤 項司

透明なガラスを空間として扱い、空間の中に建つ家をモチーフに制作しました。
四角く見える部分は空洞にして表現することで、本物の家と同じように内側に空間がある構造になっています。

 

 

  

「Mail ‐ Send Love & Power‐」 山本 一惠

未曾有のコロナ禍によって、私達は様々なことが滞る不安で不自由な時間を経験しました。
そんな時、家族や友人とのメールやライン、久々に交した手紙やハガキに、どれほど心を癒され、励まされたことでしょう。
このように「便り」というものは、カタチは多様に変わっても、今も昔も、大切な人との会えない時間や距離を繋ぎ、想いを伝えてくれるものです。
「4×6 Compact Art」では、古来より「伝える」ための大切な道具の一つであった「和紙」を用い、この四角いカタチを、紙細工の古風な「メールアイコン」に仕立ててみました。

新たな時代の始まりのなかで、それぞれの暮らしのスタイルを模索しながら動き始めようとする今。
様々に開く花形や、白い翼を大きく広げる鳥形・・、そんないっぱいの「Love & Power」をこの小さなメールアイコンに詰めこんで、大切なあなたに届けます。

 

 

item 堂東 由佳

可愛らしくもあり、不気味でもあるキャクターのようなドローイングを、再構成、配置し、パターンを反復、密集させることによって画面を作っています。離れて見たときと、近くで見たときに受ける印象の違いを楽しんでもらえたら嬉しい、という気持ちと、近くで見たところで、イメージが複雑すぎて判別できないでしょう、という意地悪をしたいような気持ちが同時にあり、このような二つの相反する要素を、ひとつの作品に含ませています。
このことは、わたしが制作のときに意識している「呑気な時間、嫌な予感」というキーワードにも通じます。さらに、わたしにとっては、シルクスクリーンは制作の手段であると同時に、半分遊びのようにも感じられます。そういうところが作品のテーマにもマッチすると思い、シルクスクリーンを用いて制作しています。

 

 

  

赤い返事 上野 和輝 大学院2年

コロナありきが日常となった今、私は大学に通っているが、大学ではどこか声を出すことがタブーな空気が漂っている。
そして講義の出席確認の際に手を上げるということだけが、自分の存在を示す唯一の機会になっている、だから受講生はその瞬間を逃すまいと気を張り、名前が呼ばれると殻を破る様に勢いよく自分の存在をアピールする。そんな状況と感情を作品に表現しました。

 

 

SONA N3 高松 徹

社会も人々も活力が満ち溢れていた80年代の元気なイラストのテイストを今にリバイブしてみたいと思って作りました。

 

 

ステイホーム ソウダミク

コロナが蔓延し、私たちの生活の変化を表現しました。

 

 

画一的労働 ナカテ

自分自身の仕事がしんどい、理想が叶わない時に描いた、自己投影作品です。決まった仕事を枯れ果てた土地を耕すような虚無感と赤黒く染まった世界で表現しています。単純な金属人形は無機質・無感情な感じを表現したかったんだと思います・・・。今も仕事は大変で、理想とは程遠い生活なのですが、この絵の時ほど病んではいないです。この絵は知人に見せて大変不評なのですが自身にとってのメモリアルな作品です。

 

 

Bubble Painting 土井 紀子 修士2年

Bubble Paintingでは、海にひっそりと存在する「泡」を主題にした。
泡は、完全に液体でも気体でもなく、気体と液体の両方で構成される。そして、泡の構成要素は安定しているが、泡は長続きせず瞬間的な存在だ。
気体と液体という2つの相(phase)の領域が膜(明確な境界)で遮られて、これらが刹那的に混在している状態なのだ。
誕生から消滅までわずか数秒(長くても数分)しかこの世界に存在できない泡は、きっと意識もされない存在であるかもしれない。その微細な現象をこの画面に焼き付けた。

 

 

食事中 大松 雅士

リスの食事を描きました。リスは木の実が大好きです。どんぐりを食べています。
リスは、木の実を土に埋めて蓄えておき、一定期間を置いて掘り返して木の実を再度食べる習性があります。でも今回は、埋めずに完食するようです。
(埋めたまま忘れてしまいそのままにしてしまって新しいどんぐりの木が生えることもあるそうです。)

 

 

夕方 zochi

日が暮れて、静かになった街
ゆっくり時間が流れている様子

 

 

滑り台 栗山 みちる

子供たちが滑り台を登る姿が、小ちゃな登山のように感じました。その情景を思い出しながら描きました。

 

 

復興―道頓堀万灯祭― 藤井 治

ミナミ復興祈願スケッチ。
未だ出口の見えないコロナ禍。たまに大阪ミナミを歩いても繁華街とは思えぬほどに人通りも少なく、以前のようなコテコテの熱気、活気もどこへやら。
商売繁盛の提灯がまた明るく元気にたくさん灯りますうに。3年前の道頓堀万灯祭の夜景スナップ写真を元に、小さな画用紙にその願いをギュッと詰めた。

 

 

Portion No.1 小林 夏奈子

美しいものはいつもすぐ傍にあるが
単に美を礼賛するのではなく
出口なしの生活感情を模索したい

 

 

 審査員総評

 


 

稲田 翔平 Shohei INADA

作者の素直な気持ちや、力強いコンセプトにより製作された作品ばかりで、点数をつける際にとても悩みました。

また、魅力的で創造性豊かな作品とともに添えていただいた文章にも非常に興味深いものが多く、作品製作の過程や動機を垣間見ることができたように思います。

今の時世だからこそ、今一度自分自身に向き合い、何をすべきか、そしてどのような表現を行うかを考えて製作している作者が多くいたと感じました。

私自身もそうあらねばという思いを再認識させていただきました。ありがとうございます。

 

 

 

 

斉藤 幸延 Yoshinobu SAITO

この度審査員という大役を与えられた事を光栄に思います。

全ての作品が情熱に富、大変な力作ばかりでしたので、襟を正し全力で審査にいどませていただきました。

何かと暗い話題が続く昨今ですがその波乱にも負けず、毎日を明るく照らしてくれる作品も多く見られ、たくさんの元気やエネルギーをいただきました。

卓越された技術の詰まった作品や意欲的なコンセプトの作品、未来に羽ばたく若者のエネルギーの詰まった作品など大変刺激を受けることができ

アートの素晴らしさを改めて実感させていただく機会となりました。

正直にいうと、全てに満点をつけれなかったのが心苦しい思いでした。

評価にかかわらず皆さまには自己表現を続けて欲しいと切に願います。

このイベントに関わった全ての人、素敵な作品達に出会えた事に心から感謝いたします。

ありがとうございました。

 

 

 

名 司 生 NATSUKI

コンセプトと作品を照らし合わせ一つ一つ拝見させていただきましたが、

今の状況を表したものも多く、作品を通して作者の方々の生活や状況がかいまみれるようでした。

力作、また応援したくなるような作品も多く、点数をつけるのが難しかったです。

様々な表現方法、また思想の作品が集まり見ていてこちらもいい刺激を受けました。

 

 

 

丸中 美咲 Misaki MARUNAKA

実物を見ることが大切だと思っています。

オンラインでの1作品では十分に伝わりきらないのではと思っていましたが、

今回ならではの作品や、もっと見たいと思わせてくれる作品がたくさんあり感動しました。

少ない情報からより作品を見るためにも見せ方や言葉というのも重要な手がかりになりました。

いいものをよりよく見せる工夫や手間は作品への愛な気がします。

これからも制作のある生活をつづけて、またどこかで出会えたらと思います。

ありがとうございました!

 

 

 たくさんのご応募ありがとうございました。