財団info 主催イベント 財団info 主催イベント

 

 

 

 

 

 

 

「オンライン俳句コンテスト」審査結果発表

 

 

明石文化国際創生財団『オンライン俳句コンテスト』では、令和2年7月10日から9月7日までの間「自由題」で俳句を募集し、
全国各地から、5歳から96歳まで幅広い年代層の方にご応募をいただきました。
たくさんのご応募、ありがとうございました!
今回ご応募いただいた1025句の中から、見事入賞に輝いた作品をご紹介します!

 

 

 

 

審査員

 

藤井 啓子 Keiko  Fujii

 

「ホトトギス」 同人/「円虹」、「九年母」 会員/日本伝統俳句協会 会員
昭和53年、兵庫県立高等学校国語科教員として教壇に立つとともに俳句を始める。
平成5年と28年に朝日俳壇年間賞受賞、平成7年には日本伝統俳句協会新人賞受賞。
句集「輝く子」発刊。現在は俳句教室にて講師を勤める。

 

 

 

 

 

 

 

 

最優秀賞

 

マスク付け未来が曇る眼鏡かな

 

しらす (18歳) 兵庫県姫路市

 

 

[審査員講評]

 2月末、突然3月からの一斉休校が発表され、全国に衝撃が走った。
 高校の卒業式は参加者を限定し、急遽行なわれた。
 マスクを付け校歌を歌うと眼鏡が息で曇ってしまう。
 これから進学や就職はどうなるのだろう、未来が一瞬見えなくなった。
 コロナによる先の見えない不安感が曇る眼鏡によく表れている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

特別賞(ジュニア賞)

 

ねむい朝セミよりうるさい母のこえ


あっちゃん (8歳) 兵庫県明石市

 

 

[審査員講評]
 早起きの蝉は朝七時前に鳴き始める。
 特に熊蝉のシャンシャンシャンという声は波のように押し寄せる。
 いや、しかしそれよりもなお大きいのはお母さんの「起きなさい、早くしないと学校に遅れるよ」という声。
 この声からはとても逃げ切れない。

 

 

 

特別賞(子育て賞)

 

夜濯やカレーのシミの小さきシャツ

 

高本 美幸 (29歳) 埼玉県狭山市

 

 

[審査員講評]
 「夜濯(よすすぎ)」が夏の季題である。夏は夜に干しても次の朝には乾く。
 保育園のお子さんの今日のお昼はカレーだったようだ。
 カレーの染みは落ちにくい。
 今晩のうちに落としておかないといけないと懸命にもみ洗いする作者。
 子育ての忙しい時ならでは夜濯を若々しく詠まれた。

 

 

 

特別賞(シニア賞)

 

五キロなら持ちて帰れる西瓜買ふ

 

大阪のアン (78歳) 大阪府豊中市

 

 

[審査員講評]
 久々に大きな西瓜を丸ごと買おうか迷う作者。
 夏休みにお孫さんたちが来られたのだろうか。
 ちょっと手で持ってみると重い、いやしかし、これくらい何のその、みんなで切り分ける笑顔が浮かぶ。
 「五キロ」という具体的な、限界の数字を出されたところが良かった。

 

 

 

 

優秀賞

 

 

公園は閉鎖春風だけ自由


服部 あや (32歳) 三重県伊賀市

 

 

水中花始まる今日もテレワーク


吾亦紅 (74歳) 大分県国東市

 

 

会いたくてでも会えなくて夏の空


ゆめ (34歳) 東京都練馬区

 

 

秋風がガーゼを通りやってくる


万作 (24歳) 東京都世田谷区

 

 

海開きカバンも心も伽藍堂


シャケ (17歳) 北海道札幌市

 

 

もう一度頑張れそうなすもうかな


としちゃん (70歳) 佐賀県鳥栖市

 

 

マスクしてパパ初抱っこ夏の空


小田 孝子 (57歳) 福岡県北九州市

 

 

一礼し少年の夏早や終わる


阿部 文彦 (80歳) 神奈川県横須賀市

 

 

自転車の座席を高く涼新た


林 徹也 (74歳) 兵庫県明石市

 

 

乾ききった歯ブラシ五本盆休み


鈴木 麻衣 (32歳) 静岡県浜松市

 

 

 

 

審査員総評

 

 オンライン投句という初めての試みなので、どうなることか全く予想がつかなかった。
 締め切るとなんと応募総数は1025句、そして何より驚いたのは投句平均年齢47歳という若さである。
 今までの郵便等の応募形式では平均年齢は75歳前後なので30歳近く低くなった。
 詳しく見ると10歳台~50歳台の合計が65%を占めている。
 学業や仕事に忙しい世代からこんなに多くの投句を頂いたのは、なんと言ってもオンラインという手軽さであろう。
 60歳台、70歳台も15%ずつ占め、この世代まではオンラインは難なくこなされている。 
 オンラインは苦手と思われる層は80歳台以上のようだが最高年齢は96歳の方でその何事にもチャレンジされる姿は誠に素晴らしいと思った。

 さて内容についてであるが、やはりこのコロナの時代を反映した句が大半を占めた。
 「コロナ」という言葉を詠まなくても、あぁ、これはコロナの時代ならではだと分かる佳句がたくさんあった。
 おそらく俳句を詠んだのは初めてと思われる方も多く、難しい言葉を用いられなくても、ズバリと本質を突いた句に感動を受けた。
 選をしていても自分の言葉で詠まれているので楽しかった。
 それだけに、わずかな入選句に絞り込むのはとても苦労した。
 惜しくも落選となった句も多いので、またこのような機会があれば是非チャレンジして頂きたい。
 また、今回は文語文法、歴史的仮名遣いに限らず、広く口語文法、現代仮名遣いの句も頂いたので作品の表記が混在していること申し添えたい。

 まだまだ先の見えないコロナであり、自ずと今までとは生活が変わってゆく。
 しかし変わらない季節の移り変わりをその中に詠んで欲しい。
 ふと浮かんだ一句をスマホで送るというこのオンラインコンテストをきっかけに、俳句を身近に感じて頂けるとありがたいと思う。
 新しい生活様式の時代に、新しい俳句のあり方が開けたように感じた。

 

 

 

 

【オンライン俳句コンテスト募集要項】

 

 

お問合せ

(公財)明石文化国際創生財団 「オンライン俳句コンテスト」係

〒673-0886 明石市東仲ノ町6-1アスピア明石北館7階

Tel:078-918-5085 Fax:078-918-5121